ゼロ年代最後の日に。


皆さんこんにちは。当ブログ「AIR CONTENTS」の運営、けろっぴです。当ブログのタイトルともなっている「AIR CONTENTS」という言葉、皆さん聞き覚えがないと思います。それもそのはず、この言葉は僕たちが提唱する新しい考え方だからです。この記事では「AIR CONTENTS」とはどういったモノなのかを簡単に説明していきたいと思います。

  • ネットに浮かぶコンテンツの雲


「コンテンツ」という言葉自体は皆さんに馴染み深いのではないでしょうか。漫画、アニメ、映画、ゲーム、音楽、演劇…。どれも僕たちの生活を彩り、楽しくしてくれるものばかりです。もしアニメが見られなくなったら…。もし音楽が聴けなくなったら…。そんな生活つまらないですよね。それだけ、コンテンツは僕たちの生活に欠かせない大切な文化となって浸透しているのです。インターネットが普及し始めて約10年が経ちました。その間、ネット上には今までに無かった、全く新しいコンテンツがたくさん登場しました。


ニコニコ動画
・pixiv
vocaloid
mixi
・fg


皆さんも日々利用しているのではないでしょうか。
実は、これらにはある共通点があります。


それは、《みんなが作品を投稿し、みんなでそれを見て楽しむ》という点です。

  • UGCという考え方


ゼロ年代に誕生したこれらのユーザー主導のコンテンツは一般的にUGC(ユーザー生成コンテンツ)と呼ばれ、インターネットコンテンツの主流となりつつあります。《仕事には出来ないけど、好きだからやっている》人たちにとって、インターネットはうってつけの場所だったのです。


昨今、雑誌やテレビのコンテンツの凋落が叫ばれる背景には、インターネット上にあるこれらのUGCの存在があります。UGCは、その大半が無料であるにも関わらず、プロ顔負けの作品が数多く存在します。はじめは、作り手が自分の作品を大勢の人に見て貰える場として、インターネットはまさに理想郷でした。しかし、その存在がだんだん公になるにつれて、今度はその作品を見る側――消費者の心境に変化が現れます。


そして、その原因は《何故これ程雑誌やテレビが凋落しているのか?》という問題の原因とかなり近い位置にあります。


コンテンツは「娯楽」とも呼ばれるように、その本質は「暇つぶし」です。20世紀、娯楽は高価で、貴重なものでした。街頭テレビのプロレス中継に皆が釘付けになり、新聞と雑誌は飛ぶように売れ、レコードは子供達の憧れでした。しかし、インターネットの登場で、今までお金を払わなければ手に入らなかったコンテンツは、無料で、しかも良質な代替品が手に入るようになってしまいました。その結果、消費者は、その作り手の存在を忘れ、あたかもコンテンツを“空気”のように消費し始めました。つまり、消費者にとって、コンテンツはこちらから何もしないでも無限に湧いて出てくる“べき”モノになってしまったのです。


しかし、それは全くの間違いです。皆さんが日々利用するニコニコ動画やpixivはUGCの代表格ですが、そのどんな作品一つをとってみても、その裏には熱心なクリエイターと、費やされた膨大な時間と労力が存在するのです。しかし僕たちはそういった背景を考慮に入れようとしません。それがどんな作品であろうと、批判することはあってもその労力に報いようとはしません。


ニコニコ動画の「やってみた」ジャンルは、恐らく一番新しいUGCジャンルの一つですが、その普及から2年程度しか経っていないにも関わらず、活動を休止する人たちが続出し、極めて流動的なジャンルとなっています。その背景には、今まで述べたような極めて受動的で自分勝手な消費者の存在があります。自分の活動が評価され有名になっても、待っているのは、自分勝手なコメントと、あらぬ批判。その上、無料文化が根付いてしまったネットコンテンツにおいて、少しでも収益を上げようとすると、降りかかってくるのは“金の亡者”という汚名。


公開するだけ損―――。


これは皆さんが考えている程悠長な問題ではありません。事実、今現在UGCは一時期に比べて間違いなく下火になってきています。その実証が現在のニコ生とtwitterの爆発的な人気です。本来、優良なコンテンツを制作するのには高度な技術力と莫大な時間を要します。このプロセスはどんなジャンルでも絶対に必要でした。しかし、twitterをコンテンツだと言い張る人たちは、《その人のキャラクターがそのままコンテンツ、すなわち日常分野でのUGC》だと主張します。これは、《twitterもニコ生も、本当の意味で“何もない素人”が自分自身のコンテンツ化をはかっている》ということを意味します。もっと簡単にいいましょうか。


自分の望むコンテンツが簡単に手に入らなくなった消費者は、仕方なく何も無い自分でも出来るようなことのコンテンツ化を図っているのです。


このままでは、才能のあるクリエイター達は、自分勝手な消費者に消費され尽くされて、飽きたら話題にもされず、残された骨折り損の感覚と共にネットを去ってしまいます。

  • AIR CONTENTS」とは


つまり、「AIR CONTENTS」とは、今現在、“空気”のように消費されている優れたユーザー主導のコンテンツのことを指します。これがUGC/CGMと差別化される最大の点は、今現在の状態を否定的に捉えているという点です。UGCは一般的に、WEB2.0的なコンテンツの代表格ーーすなわちコンテンツ形態の理想型としてしばし言及されますが、その大概は僕たちのような《自分で何をするわけでもないけど、作っている人だって僕たちと変わらない素人なんだから、お金を払う必要なんかないし、俺たちの意見はネットの総意だ》と、自分の都合の良いように物事を解釈し、《何もしないでも良質のコンテンツが無料で手に入る状況》を維持し、無責任を決め込んでいる消費者からの意見です。


そういう無責任な大多数は、いずれUGC文化を衰退させるでしょう。しかし、僕たちはUGCが大好きです。作品が好きで好きで仕方ないからやってる人たちの作る作品は市販のコンテンツにも決して負けない価値があると思っています。彼らはお金など求めてはいないのです。ただ、自分の作品が正当に評価され、『おもしろいね!』と一言言ってもらいたいだけなのです。しかし、だからこそ、その努力に僕たち消費者が報いる手段を模索すべきなのではないでしょうか。


そういった優れた「AIR CONTENTS」と、その才能ある作り手をないがしろにするこの国の”空気”を変えるーー。


それが当ブログの基本理念です。今現在、pixivではリアルで個展が開催され、vocaloidではproject DIVAが来年の3月9日に初音ミクのライブを開催することを決定しています。詳細は分からないのであまり言及はしませんが、これは確かなムーブメントです。《ネット発、リアルへ》これが「AIR CONTENTS」に光を指す手段の一つだと考えています。


このブログでは皆さんが見つけた、優れたコンテンツを募集します。皆さんが『すごい!』と思った作品を、是非お知らせ下さい。当ブログは、インターネット上の優れた「AIR CONTENTS」を勝手に応援するメディアを目指します!


募集する作品は、以下の項目を守っていただければ、アニメ、映画、漫画、イラスト、ゲーム、写真、小説、音楽、演劇、ラジオ…等のジャンルは問いません。


・1次創作(MADや版権イラストではなく、作者のオリジナルの作品)であること。
・有料/無料は問いません。
公序良俗をわきまえた健全な作品であること。
・犯罪や反社会的な行為を助長する作品でないこと。
・出来ればwin/macで互換性のあるコンテンツであること。(これはあまり気にしないで下さい)


ご連絡はコメント欄までお願いいたします。出来れば簡単な解説を付けてくれると幸いです。


ではまた。皆さんよいお年を!KeroKeroKeroP☆