ソーシャルネットワークを観た

最近大学が春休みになって少しは時間に余裕が出てきたのでここぞとばかりにブログを書いてみたりする。

…というわけで観てきました。『ソーシャルネットワーク』。
場所は新高島のTOHOシネマズ109。僕が県内で映画を観るときは大体ここです。都内は新宿のピカデリーかバルト9

感想をつらつら書いていく前にこの映画を一言で表すと…

”え?もう終わり?”

ですかね。んー、いや、どうだろ。
つまり、この映画は上映時間2時間15分とまぁ洋画なら普通くらいの長さなんですが、時間が経つのが気にならないんです。

僕は邦画なんかを観ていても、上映中に何度か腕時計に目が行ってしまうんですが、この映画はそれが一度もなかった。
こんな映画は久しぶりです。(まぁ腕時計は故障中でしてなかったんですが)

今年の頭にこの映画の原作小説

facebook

facebook

を冒頭だけぱらぱらと読んでいて、どうやらアメリカの大学には「クラブ」なるものがあるらしいと言う前知識だけはついたのですが、
そんなに面白そうでもなかったので当然のように積読いき。

その後、同じFacebookに関連した本で、小説でなく、ルポタージュ的な

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

こちらの本を読みはじめた。
まだ読み終わっていない(なにしろ500ページ以上あるうえ、異様に細かい)のだけれども、こちらは上の小説に比べてとても面白く読めている。

と、いうのも実話を元にしたフィクションである小説版に対して、こちらはマスコミ嫌いのマーク・ザッカーバーグの信頼を唯一勝ち得たと紹介されている
デビッド・カークパトリック記者が、ザッカーバーグ自身に対して綿密な取材を行ったものをもとに構成されており、Facebookの創業秘話が事細かに語られていて、とても面白い。(少々細かすぎるが)

ソーシャルネットワーク』の製作に関して、Facebook側は一切協力していないらしく、けっこうエドゥワルド・サヴェリン側に寄った作られ方をされています。
そういう意味で、映画が描く人間模様がほとんど挟まらないこの本は、映画を観るにあたって是非オススメする。
映画の中ではFacebook自体の開発秘話や具体的な出来事がほとんど語られないので、この本を読んでおくと「ああ、あの時こんなことおこってたのね」という感じで見ることができるのでより理解が深まります。逆に僕も読まないで観にいってたらちんぷんかんぷんだったやもしれぬ。

映画との相違点を挙げると、映画ではマークはFacemashを作り、ハーバードの回線をパンクさせたとなっていますが、実際にパンクしたのはマークのパソコンの方だとか。ラップトップのPCのローカルサーバーで運用した結果ですから、そちらの方が自然ですね。あとは学生の写真を集めるためにハッキングまがいのことをしたように描かれていますが、実際は普通にWebサイトから拝借したり、寮に忍び込んだりして割と地道に集めた…とか。

まぁとにかく脚色されていない、ありのまま(あくまでマーク側の視点だが)のFacebook創設秘話が語られているので、こちらは是非オススメと言うことで。

と、少し脱線しかけましたが、映画の方は、本当にいい映画でした。
とにかくテンポがいい。映画のつくりとしては、マークが2003年から2004年にかけてFacebookを開発し、成長させていた時代と、現代、マークが抱える2つの訴訟の調停場面が行き来するものとなっています。なので会話劇がほとんどなのですが、この会話がまた巧い。演技をしているのかと見まごうばかりに自然な会話の応酬。

あとは、ハーバード、というかアメリカのエリート主義みたいなものがよく分かる作品でもありましたねぇ。
この作品で女性はほとんどといって良い程大きな役割をなしていないのですが、それがとてもアメリカっぽい。
出てくる女出てくる女すべてが頭の軽そうに描かれている。成功=金、女、名声という構造が見え隠れします。

良い意味でも悪い意味でもFacebookを含め、GoogleYahoo!! などITサービスがアメリカから生まれた理由がなんとなく分かりますね。
ただ、Facebookが他のITベンチャーと異なり、シリコンバレーから生まれなかった(…と言えるのかは微妙だけども)というのは面白いですね。

最後に気になった点がひとつ。

”日本語字幕これでいいのか?”

僕はあまり英語が得意でないのですが、マーク達が交わす(マークは早口すぎて聞き取れなかったけど)会話くらいはなんとか聞き取れるわけです。
それにしてもまぁニュアンスは伝わるけど、あまりも翻訳しすぎてないか?と気になりました。(思いつくところだと「...like myspace and friendstar」というセリフが「マイスペースその他のように...」となっていたりとか。)

まぁそんなことは別にどうでもいいことで、この映画はとにかく一見の価値ある映画だということです。
まだ見ていない皆さんは、是非。